大判例

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最高裁判所大法廷 昭和26(あ)1601 判決

主 文

原判決及び第一審判決を破棄する。

被告人を免訴する。

理 由

弁護人中本照規の上告趣意は末尾添附のとおりである。

職権により調査するに、被告人が連合国最高司令官の許可を受けないで、昭和二

四年一二月一〇日頃大阪府a港を出帆して同月一六日頃沖縄b港に到り、以て不法

に本邦から出国したものであるとの第一審判決認定事実は、右行為当時においては、

昭和二二年四月一四日附連合国最高司令官の「日本人の海外旅行者に対する旅行証

明書に関する覚書」により禁止され、昭和二一年勅令三一一号、同二五年政令三二

五号附則三項により占領目的に有害な行為として処罰さるべきものであつた。しか

し、昭和二六年一二月一日以降は日本人の海外渡航には連合国最高司令官の許可を

要しないこととなり、処罰されることはなくなつたので、右被告人の行為に対して

は原判決後たる昭和二六年一二月一日より刑の廃止があつたものであると解すべき

こと、当裁判所大法廷判決(昭和二七年(あ)第一五七〇号、同二九年一二月一日

言渡)に示すところにより明らかである。よつて弁護人の上告趣意に対し判断する

までもなく、刑訴四一一条五号、四一三条但書、三三七条二号により主文のとおり

判決する。

この判決は、本件の場合に刑の廃止を認めない裁判官田中耕太郎、同斎藤悠輔、

同本村善太郎の反対意見(前掲大法廷判決記載の右裁判官等の反対意見参照)を除

きその余の裁判官全員一致の意見による。

裁判官霜山精一は退官につき評議に干与しない。

本件公判には検察官安平政吉、同竹原精太郎、同宮崎三郎、同神山欣治が出席し

た。

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昭和三〇年二月二三日

最高裁判所大法廷

裁判長裁判官 田 中 耕 太 郎

裁判官 井 上 登

裁判官 栗 山 茂

裁判官 真 野 毅

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 島 保

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 岩 松 三 郎

裁判官 河 村 又 介

裁判官 谷 村 唯 一 郎

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

裁判官 入 江 俊 郎

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